本日は支援員Kのオススメ映画の紹介をしたいと思います!

奇跡の人
1962年に公開されたアメリカ映画です。

あらすじ
「1880年代の後半、ケラー家では7歳のヘレン(パティ・デューク)の色も音もない、感触だけを頼りに生きている姿に、大きな悩みを持っていた。盲学校に依頼してその卒業生アニー(アン・バンクロフト)が少女の教育に来てくれた。彼女の苦闘が始まる。手でアルファベットを綴る方法、行儀の躾け、だがヘレンのそれは強制の結果でしかないことに気づき、深刻な懐疑に包まれた。ただ、何かを求めて成長しようとするヘレンの気持ちに支えられ、夫妻に自分とヘレンの2人だけにしてくれるよう頼み、肉親の同情と燐憫の生涯を説いた。2週間、アニーは与えられた猶予に全力を尽くした。森の中の小屋。アニーを嫌うヘレンもやがて慣れ、食事、散歩、手の綴りも上手くなった。2週間は過ぎ、あと1週間をケラー氏(ヴィクター・ジョリー)に頼んだが、家に連れ帰ってしまった。家に帰った少女を再び甘やかすに違いない肉親たちを前に、アニーは自分の無力感をかみしめた。夕食の帰宅祝の席、家に帰ったことを知ったヘレンは2人だけの生活の時とは逆にあえて手掴みで食べ、水差しを倒す。家族たちの反応を探ろうとする少女の本能的な計算がそこに感じられ、今日は特別とひきとめる母親(インガ・スウェンスン)をふりきってヘレンを井戸に引きずり出し、こぼした水を水差しに汲ませた。井戸の冷たい水、それがヘレンをとりまくカベを破った。生後6ヵ月で<水>を知り、まわらぬ舌で発音さえしたヘレンの記憶がいまここで甦ったのである。理性の光が“理解”するという形で少女に初めてさし込んだ。」(出典:Movie Walker)

 
知る人ぞ知る、三重苦のヘレン・ケラーと家庭教師であるアン・サリヴァンの物語です。
迫真の演技、という言葉をよく聞きますが、もっと深い言葉で表したくなる、本気の演技のぶつかりあいがとても印象的な作品です。

ヘレン・ケラーといえば、見えない・聞こえない・話せないの三重苦を克服した伝説の人、といったイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
沢山の苦悩や差別の中、一人の女性として信念を持ち人生を生き抜いた人です。

伝記本などにもなっているので、とても昔の人のようにも感じますがヘレン・ケラーは世界中で講演活動を行う中で、日本にも3回来日しています。最後の来日が1955年(昭和30年)です。63年前だったのですね。

世界各国で、熱狂的な歓迎を受けたと同時に「盲目を売りにしている」などの差別も同時に経験しています。

障害者に対する教育・配慮などは、現代でもまだまだ進化途中といえると思いますが、ヘレン・ケラーの生きた時代はより情報も少なく差別意識の強い世界だったかと思います。そのような中、一人の人間として障害を持つ人とそうでない人々の「共生社会」を理念としていました。視覚障害者の就職可能な社会整備のきっかけになるなど様々な活動に励んでいたのです。

世界を動かすのは、英雄の強く大きなひと押しだけではありません。誠実に仕事をするひとりひとりの小さなひと押しが集まることでも、世界は動くのです
ヘレン・ケラーの残した名言です。
沢山の名言が残されていますが、どの言葉をとっても、大事なのは奇跡を待つことではなく、地道な努力や諦めない気持ちなのだと感じることができます。

まずは観やすい映画をきっかけに、一人の女性の生涯について思いを馳せてみるのもいいのではないでしょうか。

ヘレン・ケラーの生涯について知りたい方はこちら↓
社会福祉法人 日本ヘレン・ケラー財団

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